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「ムスコが気づいたアリの家族」

「ムスコが気づいたアリの家族」

「迷走するフォトスタジオ経営からの脱出」 シリーズ017

子供って虫を殺しますよね…!

それはもう大人が見ていると「やめてあげて〜!」と言いたくなるほどに踏みつけたりします。

うちの息子も御多分に洩れず、せっせとアリを見つけては踏みつけておりました。

自分も子供の頃に同じ経験があることをかえりみると、子供の好奇心の現れだと思い、あまり注意することもありませんでした。

生き物があまり得意でない息子なりの関わりの仕方なのかも、それとも自分の行動がどういう結果になるか確認しているんだろうか、など考えながら眺めていたのでした。

そうは言ってもこの行動も一年ほど続いているので、「そろそろいいんじゃないか?」と私から声をかけてみることにしたのです。

まずは「アリさん痛いんじゃないかな」と言ってみても、息子の心に響いている様子は全くありません。

何度かこのやり取りを繰り返しましたが、まだ人の気持ちを想像できる年齢ではないので、息子がアリの痛みを想像するのは難しそうでした。

ところが先日のことです。

いつものようにアリを踏みつけてしまった息子に、

「このアリさんにもパパとママがいるよね。この子は動かなくなってしまったけど、お家でパパとママが待っているんじゃないかな?この子が帰ってこないと泣いているかもしれない」

と話してみたのです。

すると息子はしばらく黙って考え込み、最後に

「わかった」

と小さく呟いたのです。

今までとは違い、自分のしてしまったことの意味を知った悲しそうな顔でした。

そして息子は、それから虫を殺さなくなりました。

自分でない痛みを想像することはできない年齢でも、「家族」という存在がどういうものなのかはすでに息子の中に根付いてきているのでしょう。

自分の中に家族という豊かなベースが育っていれば、他者にも優しくなれることを体感した出来事でした。

※画像は先日海で見つけた亀の赤ちゃんです。この出来事が関係あるかはわかりませんが、急に息子は生き物を触れるようになりました。

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